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RETAIL 自社ECは三河屋さんの時代

ビッグデータやAI、アドテクノロジーの活用がEC業界全体で注目されていますが、これらテクノロジーに対する疲弊(消費者側も事業者側も)を感じています。

自社ECを展開する事業者の中にも大手を筆頭にデータ活用やAI、様々なWEBプロモーションを実装していますが本来の自社ECの在り方はダイレクトマーケティングこそ本質であると考えています。売り手も買い手も無駄や苦労がなく、セールの嵐や煽りを求めない精神的にストレスがない構造、つまり心地よいお得意屋である三河屋さんこそ自社ECの形だと確信しています。

1. テクノロジーの利便による商売の限界

テクノロジーの利便による商売の限界

現実の今の生活では、タップ(クリック)したことのあるサイトの広告に追いかけられたり(リマーケティング)、再度訪れたサイトで住所や氏名が記憶されていたり(クッキー)するのが日常です。

テクノロジーによる利便は、最初は便利で最先端だと重宝されますが一般化された瞬間にストレスや疲弊、EC業界的には費用対効果の低下が表れます。代理店やツールベンダーとの関係性からなかなかNOと言えない、歩留まりを打破するべく新たな施策を追加し続けることで売り手も買い手も実は疲弊しているのが実態ではないでしょうか?

大量のメルマガやクーポン、どこを見ても広告だらけということに事業者だけでなく消費者もうんざりしているはずです。

2. 全ての施策に体温を伴うダイレクトマーケティング

全ての施策に体温を伴うダイレクトマーケティング

ネット社会において弊社がダイレクトマーケティングが重要だと考えている理由は、ネットの利便性を得る代償に小売におけるハートや体温、融通、そして対話が希薄化されてしまっているという点にあります。テクノロジーだけでなく、個々のお得意様ごとに嗜好や家族、生活などを理解して、適時適宜に体温を伴ったご案内ができることこそダイレクトマーケティングの旨味であり本来の自社ECの形だと考えています。

世の中の多くの広告手法やCRMソリューションではビッグデータをベースにしたマーケティングしかできない中で売上の歩留まりや限界に達したレッドオーシャンから抜けて勝ち抜ける最大の施策はお得意樣と濃く付き合う事です。

3. 三河屋さんを実践する自社EC事例

三河屋さんを実践する自社EC事例

私たちは、三河屋さんを実践する自社ECを数多く見てきました。

いずれの企業も顧客を大切にした体温のある接客を大事にし、少数個別対応を徹底的に深掘りすることに重点を置いています。回転率よりもリピート率を意識した心地よいお得意屋を作り上げた事例をいくつかご紹介します。

3-1 家庭用品取扱A社

家庭商材を取扱うA社は、子育て主婦1人で自社ECをスタートして1年、800人のお得意さんをノート30冊で管理し、過去注文や嗜好傾向、家族構成、活動時間をアナログ管理しながら個別メルマガを送っていました。今でこそ各メディアで取り上げられているOne to OneコミュニケーションやCRMを5年前から実践し2年目の決算で年商6000万円、利益率24%を実現しました。

3-2 生活雑貨取扱B社

生活雑貨を取扱うB社は、EC事業を始めて2年目からお得意様を購入商品軸で50〜100名単位でグルーピングし、同じような趣味、嗜好性を持っているグループでお茶会を開催することを開始しました。よりお客様の声を取り入れ居心地の良い空間を作りたいという思いからリアルな声をインプットしながら次年度のマーチャンダイズに活かすことを行なっていました。

蓄積した定量データに依存することなく直接対面で話すことにより顧客ニーズにピッタリ合致した商品ラインナップを実現することができ、当月リピーター割合60%以上、月間ユニークユーザー数15%増加を継続して実現しています。

3-3 食品取扱C社

食品を取り扱うC社は、お得意様が自社ECで商品を定期的に買ってくれた際に買ってよかったと思い続けて欲しいという願いから同梱物や梱包に力を入れています。

売ることを目的としたデータドリブン型のアップセル、クロスセル施策ではなく毎回読みたくなるマガジンの同梱や包装を開けた時に必ず目に止まる「内フラップ」にメッセージを添える等思わずまた買いたくなる居心地の良さを作り上げています。また日々の電話問い合わせと購買履歴を紐付けて管理し、電話があった際に必ず「いつもありがとうございます」の一言を言えるようにしているそうです。

蓄積した定量データに依存することなく直接対面で話すことにより顧客ニーズにピッタリ合致した商品ラインナップを実現することができ、当月リピーター割合60%以上、月間ユニークユーザー数15%増加を継続して実現しています。

4. まとめ

自社ECの強みとして、顧客を自社で管理することができることが挙げられますが世の中の自社ECの多くが楽天やAmazonを始めとした総合通販向きの施策に寄っています。

本来の自社ECはダイレクトマーケティングであり、体温を感じる接客、少数の個別対応を深く実践しリピートが自然と発生する三河屋さん経営が本質だと考えています。事業フェーズに応じてビッグデータに着手するフェーズは必ず訪れますが、顧客のすべてをデータで把握することは現時点では不可能なことからテクノロジーの利便に依存しないことが重要です。

最初のダイレクトマーケティングの一歩として自社の顧客と一番接している部署、店舗スタッフやコールセンタースタッフに一度インタビューをしてみてはいかがでしょうか。思ってもいなかったお得意様情報が得られるかもしれません。

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