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RETAIL 自社ECとモールの違いを消費者側と
事業者側から理解する

EC事業を新たに立ち上げる際に必ずと言っていいほど話題に上がる自社ECとモールのどちらでサイト構築を進めるかという議題。買う側の消費者からすれば、モール出店型も直営による自社EC型もすべて同じ小売店ですが、売る側の事業者からするとモールの出店は卸売か委託販売であると言えます。

この違いを知り、「売りたいのか、売って欲しいのか」「求めるのは利益か売上か」「顧客が欲しいのかそうではないのか」など目的に合わせて考えましょう。

1. 消費者視点で自社ECとモールを比較する

消費者視点で自社ECとモールを比較する

前述でお伝えした通り、消費者から見た際に自社ECもモールも全て同じ小売店として見えることは変わりません。
しかしながら弊社が考える一番大きなポイントは消費者が求める優先ニーズが異なるという点です。

1-1 消費者から見たモールとは

モールは、消費者にとって商品どころかショップを選べるという大きな利点があります。売値という価格による競争基準やレビューの有無等、同一商品に対してショップを横断して比較することができます。モールの場合、この比較の性質が色濃く表れることから値引きやポイント、セール、イベントに依存します。つまりモールに対する消費者の優先ニーズは安い、お得などの経済性であることが分かります。

1-2 消費者から見た自社ECとは

消費者視点で自社ECを見ると、サイトにアクセスした先は最初から比較がなく「欲しい」という動機から始まるのが基本性質です。モールの大きな強みである比較がない分、品質や情報、取扱商品の専門性が求められるため価値や満足を提供できるかが重要になります。

2. 事業者視点で自社ECとモールを比較する

事業者視点で自社ECとモールを比較する

事業者視点で出店形態を見比べると、前述の業態の違いに紐づいて顧客の重要性や利益率の違いがあります。
どちらが良い、悪いの話ではなくどう言った事業計画を立てているかによって施策や出店戦略は大きく異なります。

2-1 事業者の自社ECの経営メリットは大きく3つ

事業者側からすると、自社ECの大きな経営メリットは3つあります。

(1)顧客が自社の顧客になる。
(2)比較と価格競争に陥らないため利益がより出る。
(3)消費者が見える、お得意様と直接対話ができる。

これら3つが経営メリットになる理由はいずれも利益率を上げる施策になるからです。
EC業界でよく言われるリピート、CRMの領域は顧客リストがあって初めて成立するものであり、ロイヤルカスタマーという概念も然りです。
リスティング広告やメディア掲載、DSPなどプロモーションコストをかけて新規を獲得しリピーターに育成するという流れを作れるので、本質的なダイレクトマーケティングにチャレンジすることができます。

2-2 事業者側のモールとの付き合い方

モールは卸売という形態なので、販売量は上がるものの、消費者ニーズの根底は比較と価格競争、経済性を求めているため利益を出しにくいのが特徴です。また、顧客リストの所有権はモールが保有しているケースがほとんどなので小売に求められるダイレクトマーケティングが全くできないのが実状です。しかしながら、圧倒的なモールの看板認知度の高さや売りやすい施策が一定の基準で仕組み化されているため売上自体は作りやすいのがポイントです。

弊社でご支援させていただいた食品メーカー様では、1年後の自社EC展開を見据えてモールの集客力を活用して商品の認知度、ブランディングを徹底的に行う目的で「価格最安値」「ポイント10倍付与」「広告枠買付」を1年間行い、商品名のキーワード検索ボリュームと販売実績〇〇万セットという大きな武器を手に入れて自社ECで初年度1億を実現しました。

3. まとめ

最近のEC市場では多店舗展開が当たり前になり、異なる消費者ニーズに合わせてページレイアウト、商品ラインナップ、価格を変更するなど各社工夫を凝らしています。

消費者へのリーチを最大化するために多店舗展開は必要なことだと思いますが、そもそも各出店形態の概念を理解し、自分達はどう言ったビジネスモデルで現在の事業フェーズでは何を求めるのか、目的をはっきりさせておかなければ管理するサイト数が増えるだけで結果、EC担当者の疲弊を生むだけの結果になります。

自社のペルソナ(理想の顧客像)はどういったニーズを持って商品を探すのか、そして自社はEC事業に売上と利益のどちらを求めるか、顧客が欲しいかそうでないのかが決まると自然に1年の事業戦略が見えてくるはずです。

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